痔の手術 顛末記

ある40代会社員の痔の手術、入院の一部始終を日記形式でお届けします。

痔(内痔核)手術体験レポート 【第8報】

2003年12月31日 1:06

12月30日 入院7日目(手術後5日目)とうとう退院の日となりました。おかげさまで今自宅でこの報告を書いています。入院最終日の報告を以下に。

いびきを心配した相方でしたが、結局私が7時までぐっすり寝てしまい、心配倒れでした。

退院の日のスケジュールは結構忙しい。
7時半食前薬服用、8時朝食、食後薬服用、8時半入浴(待ちに待った大浴場)、9時過ぎ退院者検診、10時半精算そして退院という順になっています。

朝食は同朋相憐れむ仲間の方たちと最後の食事となり、残る方々のために(病院で用意されない)爪楊枝を置いていく。大いに感謝される。

振り返ると食事のおかずは魚系と野菜中心で薄味だった。
まずくはないという感じで、病院食ではましな方かも。

朝食を済ませて入浴の間のわずかな時間に昨日なかった排便をしておこうとトイレに。かるーくいきんでみるとポタッポタッと水面に血が落ちてきた。手術後2週間は少量の出血があると説明されていたので、心配はしなかったが、これ以上いきむのはやめて自然に便が降りてくるのを待つ事にした。

しかし30分近くたっても排便できなかった。楽しみにしていた大浴場は入浴できず、結局初日に入ったきり。

程なく退院者検診の時間となり、呼び出されてみると初顔の先生。おとといから今日まで排便が無い旨伝えると、それじゃー座薬しましょうとブスリッ。「30分以上我慢してから出して下さい」この忙しい退院日にそんな、と思いつつ、検診終わり。

病室に戻り、荷物を整理していると程なく30分が過ぎ、病室のトイレに入るが、出てきたのは座薬が溶けたらしい液体のみで便は出てこない。10時半に迎えに来てと言っておいたカミサンの気配に、粘るのをあきらめ、自分の荷物を整理し、カミサンに車に運んでもらった。

その間に自分はナースセンターへ行き、先ほど受けた座薬で排便がなかっと告げると、看護婦は外来に電話して、再診しますということになった。

外来ロビーに向かい再度呼び出されると、また初顔の先生で、便が降りているか見てみましょうと、手術したてのあそこに肛門鏡という円錐状の尖った器具をズブリッ、その激痛にうめいている最中に今度はそれを1回転させた。さらなる超激痛が追い討ちをかける。
「便は軟らかいですね。座薬を入れましょう」と今度も座薬をズブリッ。「30分以上我慢してから出して下さい」とまた言われ、再診が終わる。激痛の余韻の中、ロビーに戻る。

ロビーに出るともう10時半で退院者が精算に並ぶ列ができている。こちらはあと30分ここに待機し、更なる激闘をしなければならない。

精算を終えた退院者が晴れ晴れとした顔で外来ロビーから消えた頃、当方はお腹がかき回されるような、そして出口に強烈な圧力が加わり、その時が訪れた。(この間にカミサンに精算をしてもらった。)

しかし、もう病室を引き払っているので、あの病室の広いトイレに行けない。仕方なく外来ロビーの近くのトイレに駆け込んだ。幸いウォシュレットがあり、緊急ボタンも付いている。

今回の座薬はさっきよりも強烈だ。座るや否や、強烈な圧力が肛門にかかり、お腹にえもいわれぬ不快感が広がった。肛門は依然堰きとめんと踏ん張っているが、あまりの圧力に意を決していきむと、一気に噴出した。と同時に激痛レベル9。(10点満点) 激痛にうめき声も出ているが、しかしまだお腹は第2弾の圧力を加え、しかたなくまたいきむ。

噴出! 激痛レベル9!
さらに第3弾が。激痛レベル9!!
ようやくお腹の暴走が収まってきたが、置き土産のように激痛は続いていた。

チャ、チャームで洗えば少しは痛みがと洗ってみたが、痛みは続く。激痛レベル8。汗が出てきた。
ガーゼに軟膏を塗りあそこに押し当てる。激痛レベル7。

立ち上がる気力が出たので便器を立ち、洗面所まで来たが、尋常な痛みでなかったため、ちょっと迷ったが緊急ボタンを押す。

なかなか看護婦が現れない。外来休診の日に外来トイレから緊急信号がくる事で戸惑っているのか。

2分位して看護婦が来た。すがるような思いで、
「退院検診で座薬を入れられ、排便したのですが、激痛のため緊急ボタンを押しました。激痛に即効性のある薬ありませんか。」と言うと、「先生に診てもらって指示を受けないと薬は出せません。座薬でも5分くらいですが、もらっている痛み止めでも20分くらいで効きますよ。でもすごい汗ね。どうする。」とさらりといわれた。

結局、さらに先生診てもらって、薬局から薬を出してもらう手間を考えると耐えられなくなり、「じゃあもらった痛み止め飲んでみます」と答え、看護婦と別れた。この世界では、こんな痛さは当たり前ということか。

カミサンに車から薬を持ってきってもらい痛み止めを飲み込んだ。
しかし、まだ腹がグルグルしており、痛みもひどいので、もう一時、閑散としたロビーで落ち着くまで過ごした。痛み止めが効き始め、ようやく病院を出たのは12時半をまわっていた。

家まで30分の道のりで幸い激痛は軽い痛みに変わっていた。痛み止め恐るべし。しかし排便の刹那、痛みを緩和する薬は無いものかと思う。いずれにせよ手術後2週間は痛み止めが手放せないことを思い知った。

以上、本日の退院の顛末です。
もっと明るく退院するはずだったんですが。


さて退院と言っても、痔の場合は手術後の養生はすでにご紹介したとおり病院も自宅も一緒。そんな訳で、早いとこ退院となりますが、手術した肛門が元通りの機能となるには1ヶ月から2ヶ月かかるそうです。特に手術後2週間は、メスを入れた所に肉芽が盛り上がります。出血等も起き易く、気が抜けません。

3週目以降はだんだん傷が癒えて肛門の機能を回復してくる時期との話で、いずれにしても向こう2−3週間は排便痛、出血の恐怖が続きます。

通院は正月休み明けと、その翌週、月末に通院する事になります。

今後は何か変化(おもろいこと)があったらご報告することとして、長らくご愛読頂いた入院しましたレポートは終了いたします。

ご愛読感謝。


なお、ご不明の点、ご質問等ありましたらご遠慮なくご質問下さい。
答えられる範囲ですが、お答え致します。